専門学校から国立大学の3年次に編入することは出来ます。
私は、ホテルの専門学校に入学し、2年で卒業したあと国立大学の3年次に編入し、卒業しました。
こういうとほとんどの人に、凄いって言われますが、
全然凄くないです。
受験勉強もせず、センター試験も受けずに国立大学に入学したんですから。
ものすごくラッキーだったと思います。
専門学校に行って後悔したこともあったけど、専門学校に入学していなければ、国立大学を卒業することは出来なかったと思います。
この記事はこんな人に向けて書きます。
- 専門学校に入学したけど、やっぱり大学に行きたいと思っている方
- 大学受験に失敗してしまったけど、浪人はしたくない方
- 専門学校で学びたいことがあるけど、やっぱり大学に行った方がいいのか迷っている方
- そもそも専門学校に行って、大学に編入できるの?と思っている方
結論から言いますと、専門学校に通っていても、国立大学に編入することは意外と簡単です。
専門学生でなくとも、短大生や、他大学へ編入を検討している方も、この体験記で少しでも役に立つことがあればと思い、この記事を書きます。
編入学とはなにか
編入学とは
編入学とは、その学校に在籍していなかった人が第1学年の中途又は第2学年以上の学年に、外国にある学校などから入学すること、又は、過去に同種の学校等に在学していた者などが入学することである。
Wikipedia
ここで大事なポイントは
短大、高専、専門学校を卒業見込みの人が、編入試験を受けて合格すれば、卒業したあと4年制大学の2年生または3年生として大学に入学できる、という部分
短大や高専を卒業した人が4年制大学へ編入するのは割と一般的に知られていますが、専門学校に通う人も同じように受験資格があり、4年制大学へ編入することが可能です。
4年制大学に編入したいと思ったきっかけ
私が通っていた高校は、大学への進学率が80%以上の進学校でした。
ですが私は大学に行くことは考えていませんでした。
そもそも行けないと思っていたからです。
それは父が、高校2年の冬に亡くなったからです。
倒れたのは高校に入学してすぐでしたが、1年半の闘病生活のあと、亡くなってしまったんです。
なので高校生活のほとんどは、父の病気のことを考えていました。
それが大学受験をしなかった直接の原因というわけではないんですが、まだ高校生だった私は、父を亡くしたことを受けとめ、自分の進路に向き合ったり、将来のことを考えることなんて、到底できませんでした。
少し落ち着いてからぼんやり思ったのは、大学には行かないで、就職した方がいいのかな。ということでした。
実際、私立の4年制大学に通っていた姉も、中退して就職という選択をしていましたし、母から直接は言われなかったですが、お金はないんだろうな、と思っていました。
ですが、就職の意思を母に伝えると、
「まだ、働かなくてもいい、あんたにかけてあげられるお金だったら、200万くらいだったらあるから。」
となんとも中途半端な回答がありました。
でもじゃあせっかくだから、もう少し、学生をやりたいなと思い、今更勉強もしたくないし、就職に強そうな専門学校に行こうと決意したのです。
資料探しをして、たどり着いたのが、ホテルの専門学校でした。
あの頃の私は、バーテンダーに、なりたかったのです。
高級ホテルの最上階で、シェイカーを振ってカクテルを作る女バーテンダー、かっこいいじゃん。
くらいのミーハーな動機でホテルの専門学校に入学することを選択したのでした。
学校にもよるのかもしれませんが、私の通っていた専門学校は、願書を書けば誰でも入れました。
専門学校をやめたい

そんなミーハーな動機で入学した専門学校でしたが、始めはものすごく、楽しかったです。
新しい友達。カクテルの授業。就職に有利になるための資格の授業。接客英会話など。
でもそれも、1か月くらいでした。
1か月で辞めたい、と思った理由は2つあります。
高校の同級生たち
私の高校は、進学率は高いのですが、浪人する人も多かったです。
それなりに偏差値が高い人が多かったこともあり、上昇志向が強い人が多かったです。弁護士や会計士を目指していたり、理学士や看護師を目指していたり。
でも受験には失敗した。今年は絶対に受かる。と意気込んで、必死に勉強していました。
専門学校の同級生たち
みんな、当然のように夢を持って入学していました。毎日とても楽しそうにしていました。
私にもバーテンダーになりたい、という夢があったはずなのですが、専門学校に入学すると同時に、バーでのアルバイトを始めた私は、この時点で、満足してしまっていたのです。
それよりも、夜の仕事って、嫌だな、、、
とさえ思い始めていたのです。
思ったら最後、バーテンダー以外のホテルの仕事に興味がなかった私は、専門学校に通っている意味が、なくなってしまったのです。
でもそのことを専門学校の友達には言えませんでした。軽い気持ちで入学してしまった私は、私以外の人たちみんな、まぶしく見えました。
大学に行きたい
ここに来て初めて、大学に行きたい。
私も高校の同級生たちの様に、頑張って勉強したい。
と思うようになりました。
でも、お母さんになんて言おう、、、
専門学校をやめて、浪人して、大学なんて行けるのかなあ、、、
今から勉強して、間に合うのかなあ、、、
お金、もう払ってくれたのに。
大学に行くお金なんて、ないよね、、、、
でももう、専門学校に通う意味を見失っていた私は、とにかく辞めたい、その意思を母に伝えることにしたのです。
最高な母の言葉と、先生のナイスな助言
「お母さん、ごめん。私もう専門学校をやめたい。頑張って勉強するから、大学に行かせてほしい。」
申し訳ない気持ちが溢れて、大泣きしながら伝えました。
それなのに母は笑って
「いいじゃん。頑張ってよ。」と言ってくれたのです。
私の移り気しやすい性格を良く分かってくれている母は、それでもただ応援してくれたのです。
「でもお金があんまりないから、出来れば国立にしてほしい。」
とも言っていましたが。
この言葉のおかげで、専門学校をやめて、受験勉強をする覚悟ができたのです。
続いては学校の先生です。
入学してまだ1か月ですから、さぞ驚いたことかと思いますが、ここで、私の人生を変える一言を、先生が言ってくれたのです。
「ちょっと待てすぎこ。専門学校やめなくても、大学にいけるぞ。編入っていうんだ。しかも、卒業してから行くと、3年生になれるんだぞ。」
「去年、俺の教え子にもひとり国立の大学に行った奴がいたぞ。」と。
なんですと!?
(後になって知るのですが、この方は留学生で、一般の学生とは違う枠で受験をし、東京外大へ進学しています。東京外大も受験出来ましたが、過去問を見て一瞬で諦めました。)
ここから怒涛の
専門学校 大学編入
について調べる日々が始まったのです。
専門学校からでも、大学編入は出来る
短大や高専から大学に編入する方は多いので知っている方もいると思うのですが、専門学校からの大学編入は知っている人は少ないのではないでしょうか。
そもそも専門学校に入学している時点で、目的を持って入学しているわけですから、大学に編入しようと思う方も少なくなるのは当然ですね。
現に私が通っていた専門学校でもそうでした。編入?なにそれ?ってみんな思っていたと思います。
もちろん専門学校を卒業して大学に編入したのは私一人でしたし、大学に入ってからも、編入仲間たちは社会人を除いてみんな短大卒の子たちでした。
大学に編入できる専門学校の条件
ここで大切なポイントがあります。
大学に編入するためには、いくつか条件があります。
大抵の大学では
- 大学1.2年次を終了した者、または終了見込みの者
- 4年制大学を卒業した者
- 高等専門学校を卒業した者
- 所定の条件(修業年限2年以上、総授業時数が1700時間以上)を満たす専門学校を卒業見込み、または卒業した者
等を受験資格として挙げていると思います。
ですが専門性の高い大学や学部にによって違うので、行きたい大学が決まっているのであれば調べたり、問い合わせすることは必須です。
「専門士」の称号
受験資格を調べていくと、所定の条件を満たす専門学校、とよく記載されているのですが、
つまりは「専門士」とう称号が授与される専門学校かどうか、という意味で書いてあることが多いです。
専門士とは、日本において、一定の要件を満たす専修学校の専門課程の2~3年制の学科を卒業した者に授与される称号である。教育課程としては短期大学・高等専門学校と同等である
wikipedeia 専門士とは
卒業後、専門士という称号を授与される専門学校であれば、短大卒業と同等と見なされる、というわけです。
これを見ると、専門士になれる専門学校は非常に多く、美容師になろうと思って美容専門学校に通っている方でも、学校によっては大学に編入出来るということがわかります。
編入試験の内容

これも各大学によって様々なのですが、関東の国立大学3つを受験した私の場合です。
ちなみに全部合格しました。
編入試験の日程は、大学側が独自に決めているのでバラバラなことが多く、何校でも受験できます。
- 英語
- 論文
- 面接
この3つが受験内容になっている大学が多かったです。
英語
編入試験において、欠かせないと言ってもいいくらい、英語、を試験内容に指定している大学は多いと思います。
中にはTOEICのスコア提出(例えば500点以上とか)を条件にしているところもありました。
TOEICのスコアを提出と、面接だけでいい私立大学もありました。
過去問等を取り寄せて、試験内容の傾向を確認してみてください。
辞書があれば、英文の論文を日本語に訳すことが出来る、くらいの英語のレベルがあれば受かると個人的には思います。
もちろん大学によって異なります。
論文
英語と同じくらい、論文、が試験科目に入っているところも多いです。
文章読解力はもちろんですが、受験したい学部の専門的な論文を書かせたりするところもありました。
論文、と聞くと苦手意識を持つ方もいるかと思いますが、
私が受験した大学では、その学部に関係のある論文を読んで、質問に答える程度でした。
高校生の国語のテスト?みたいな感じでした。
論文対策は、通信講座に申し込んで勉強したのですが、正直あまり意味がなかったかもしれません。
面接
筆記試験をパス出来たら、必ずと言っていいほど面接があります。
ここでは
「どうしてこの学部に入りたいのか」
「なんで編入しようと思ったのか」
を必ず聞かれます。
入社試験とほぼ同じですね。
試験対策
編入試験を受けると決めた私がまずやったことそれは
バイトを全部やめる
彼氏と別れる
の2つです。
両方とも落ちた時の言い訳を作らないためです。
1日10時間勉強する
受験勉強どころか、高校時代ほとんどと言っていいほど勉強しなかった私はこう考えました。
他の受験生に追いつくためには人の何倍も頑張らなくちゃ
その方法が、1日10時間勉強する、でした。
受験日まで約1年半ありましたが、本当に1日10時間毎日勉強していたので、1年くらいたった頃、耳の後ろに10円玉ハゲが出来ていた時には笑いました。しかも両耳です。ちょっと涙も出ました。
スケジュールはこうです。
6時起床
即勉強1時間
専門学校の通学時間が往復で1時間ほどでしたのでその間もずっと単語帳やらリスニングやらをやっていました。
大体16時くらいに帰宅していたので。そこからずっと寝るまで勉強していました。8時間くらい。
これでトータル10時間。
誰とも遊ばず、勉強だけをやり続けた1年半でしたが、最高の時間でした。
英語能力の上昇
編入試験対策として出来ることは、とりあえず英語力、と思っていた私は英語の勉強を主にしていました。
ただ受験のための英語の勉強をどうやればいいのかすらわからなかったので、
最初はとにかく基礎だと考え、中学英語の復讐をしようと思い以下のような参考書を購入し、3日くらいで中学英語の復讐をしました。
この参考書をやり始めた時はとにかく楽しくて、嬉しかったですね。
勉強出来ることがとにかくうれしかったのを今でも覚えています。
高校受験ぶりの受験勉強だったのでとても新鮮な気持ちでスタートできました。
TOEICスコアが300点台から600点を超える
そのあとは実力チェックのためにTOEICを定期的に受けていました。
予備校などに通っていなかったので、定期的な目標があった方がいいなと考えたためです。
最初300点台だったスコアも1年たつころには600点を超えました。
ちなみに、【TOEICのスコアをあげるための英語の勉強】は
絶対に公式の参考書を使った方がいいです。
【英語の勉強】と【TOEICの勉強】は似ているようで実は違います。
TOEICのスコアをあげたい人におススメの参考書は絶対にこれです。
公式問題集で勉強していればTOEICのスコアは必ずあがります。
ちょっと話がずれてしまいましたが、とにかく英語漬けの1年半でしたので、ちょっと勉強しすぎたかなと思うくらい、英語が得意になっていました。
実際、受験の時に出てきた英文も、自分でもびっくりするくらいよくわかるように。
辞書も持ち込んでいいし、簡単だな、とすら思いました。
この受験勉強がきっかけで英語が得意になり、大学入学後はカナダにワーキングホリデーに行くことも出来ました。
論文対策
これは過去問を見て、どういう対策をとればいいのか研究する必要があります。
学部によって、出される内容が全く異なるためです。
自分で探すのが困難な場合は、予備校などを活用するのも手だと思います。
私は通信教育を利用しました。
面接対策
これは、この大学にどうしても行きたい理由を言えればいいと思います。
私は正直に「勉強している人が羨ましくなった。私も勉強したいと思ったからです。」
と言いました。
もちろん具体的に何を勉強したいのか、を伝えなくてはいけないと思ったので、
行きたい学部、選択したい学科のことはよく調べて、3年生からはゼミに入るわけですから、ある程度の基礎知識はつけました。私はさらにゼミの先生の名前を調べて、その人の専門を調べて、論文を読んでから行きました。
ちなみに私の選んだ学問は
文化人類学、民俗学です。
選択したのは理由があります。
編入試験の倍率
倍率、気になりますよね。
これも大学によって異なりますが、国立大学ともなると、結構高いです。
そもそも募集人数が数名だったりするので、受験人数も多くはないのですが、倍率は高くなる傾向にあります。
受験する学部、学科の選び方
これは、私の様に「とりあえず何でもいいから大学に行きたい」という方向けですが
倍率の低い学科を選ぶことをお勧めします。
マニアックな学科は人気がないので当然倍率が低くなります。
受験する大学が決まったらその大学の中でも特に倍率の低い学科の試験対策をとることはとても有効です。
そしてその勉強方法は、基礎知識程度で十分です。
大学側は「勉強意欲の高い学生」を求めていて、「その分野に精通している学生」は求めていないはずだからです。
大学に編入したら
編入性は友達ができないとか勉強についていくのが大変だとか就職に不利だとか色々言われていますが。
全然そんなことないです。
友達は欲しければ出来る
たしかに新入学生として扱ってはもらえないでしょうが、コンパも歓迎会も自分が参加したければすればいいと思いますし、編入生なんだということを伝えると、興味を持ってくれる人がほとんどでした。
できないわけがないのでご心配なく。
勉強は大変か
これもそんなことないと思います。
確かに1.2年生で単位をたくさん取っていた人と比べたら大変なのかもしれないですが、受験勉強のほうが何倍も大変だったので、私は大学の授業が楽しくて仕方がなかったです。
ただ、3年生から入学すると、秋には就職活動がスタート、という時代だったのでちょっとついていけず、休学して海外に行きました。
その話はまたいつか。
就職のこと
これも全くと言っていいほど不利にはなりません。
むしろプラスになったと思ってます。
編入をして大学に入ったことを必ず聞かれましたが、向上心を評価してくれる会社がほとんどだったと思います。
大手証券会社に就職し、今の主人と出会い結婚できたことも、編入して大学に行っていなければかなわなかったことなので、本当に人生が変わったと思ってます。
最後に
ここまで読んでくださった方がもしいたら、本当に嬉しいです。
その中には編入して大学に行きたいと思ってこのブログを読んでくれた人がいると思います。
私の様にハゲが出来るまで頑張って勉強しなくとも、編入試験には合格できると思います。
リサーチが一番大切です。
行きたい大学が決まったら、その大学に受かる方法を必ず見つけてください。
そして絶対にあきらめないで頑張ってください。
人生を変えるほどの出来事なんて、人生の中で数回しかないです。
自分の人生は、努力次第でいくらでも変えられます。
コメント
コメント一覧 (1件)
初めまして
このブログを初めて読む者です
すぎこさんのような考え方ができる方はすごいと思います、ぼくも専門学校卒業していま働いているのですが本当に今の仕事がやりたいことなのかこの環境で仕事嫌だなと最近思い始め体育教師や海外留学に興味があり編入しようかなと考え始めました。質問なのですがお話の中にあったとは思うのですが専門学校で学んだようなことを編入先の大学で学ぶことが異なっていても入れますよね?